医学部学士編入ブログ 
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医学部学士編入に出る検定のまとめ

ゴールデンウィークも最終日ですね。本日も更新していきます。ゆうです。

今回は前回の統計の続きです。

琉球などは検定までは出ていませんが、滋賀医科のように検定が出てくる大学向けにまとめていきます。

目次

医学部学士編入に出る検定とは?

ここでの検定とは正確には統計的仮説検定のことを指します。

科学の本質は仮説とその検証だとここのサイトでは何度も触れてきました。

統計はまさに科学の屋台骨ですので、科学のこの考えが重要なものとなっていきます。

まず、検定に関する定義を見ていきます。

検定とは

現象やデータに対してまず。仮説を立てます。そして実際に実験や障子た結果を確率的に検証していきます。そして結論を導くという展開の仕方です。

そして、結論を導くためには数学でお馴染みの背理法を用います。

一応確認しておきましょう。

背理法とは仮説を設定し、仮説が正とする条件で論理を進めていきます。その際に矛盾が生じた場合。仮説が間違っているとする方法のことです。

つまり、統計では背理法を用います。そのため初めの仮説設定は否定される仮説を設定します。

これを帰無仮説と言います。

1帰無仮説の設定

2統計処理によって帰無仮説の矛盾。

3帰無仮説の否定

以上の順番で論理を展開していきます。

では、統計処理でおそらく最も多く用いられるt検定の場合を具体的に考えていきます。

t検定の利用

t検定とは平均値の差の検定です。

医学、生命科学系の論文データで最も使われる検定です。

これは、ある新薬が既存薬より効果があるということを言いたいときや

データとしては、新薬投与群の腫瘍抑制効果と既存薬の腫瘍抑制効果の平均値の差を比較したいわけです。

統計上の仮説としては、

両者に差がないと帰無仮説を設定します。

また、別の例を考えましょう。

ある遺伝子の発現が疾患の重症化、例えば転移の数に寄与しているなどを言いたいときなどの例を考えていきます。

遺伝子の発現量の多寡と転移する細胞数のデータをとっていきます。

その際に

遺伝子の発現量の多寡による転移する細胞数には差がないと帰無仮説を設定します。

帰無仮説を立てたら、検証しましょう

では、ここから統計的な検証をしていきます。

まず、t値を算出します。

公式

t値= 平均の差 / 標準偏差/サンプルサイズ

その後、t値をp値に変換します。

変換するのは、確率分布表を用います。特にt分布表をここでは用いていきます。

よく教科書の裏におまけとして載せてあるものですね。最近では大学受験の『青チャート』にも載っています。

なお、自由度という言葉が出てきます。自由度はデータの個数から条件の個数を引いたものです。

この自由度によって分布表の見る範囲が変わってきます。

t値が大きければとp値は小さくなる関係性があります。

p値は仮説に反する統計量が観測される確率と定義されます。

このp値がp<0.05であったら同じ群で言えません。この0.05という数値は

偉い人が決めた値です。だいたい、20回に1回くらいの間違いなら許容できるだろうという値です。

医学、生命科学では伝統的にこのp<0.05を用いています。

p<0.05であったならば、帰無仮説が棄却されます。

統計的な有意差があると表現されます。

p値は偶然によってt値が大きくなって、差があるように見えてしまう確率のことです。

つまり、p<0.05となった場合、偶然による可能性は小さいと判断でき

t値は十分大きいとみなせるわけです。ゆえに、両者に差があると統計的には言えます。

逆に、p値>0.05だと有意な差があるとは言えないと判断します。

t検定では、2群の平均値の差を検定しました。

別の検定も存在します。

正規分布の時に検定は使用可能

なお検定が用いられるのは、データが等分散の場合のときです

そもそもデータは規則性なくばらついています。データは前回に触れたように

平均値±SDで表します。なお、平均±SDの範囲に入る確率は約68%であり平均±2SDの範囲にはいる確率は約95%です。

データの取り扱いをまとめると

データ数が非常に多いとき、2項分布は正規分布で近似できる。

一方、起こる確率が非常に低く、かつ平均が既知のときは、

2項分布はPoisson分布で近似できる。

それぞれの見る確率分布表が変わっていくわけです。

ではt検定の結論です。

t検定

2つの集団があり、その平均が等しいかどうかはt検定で検証する。

t検定以外の検定

F検定

F検定は2群の分散の検定に用います。

2つの集団があって、分散が等しいかどうかはF検定で検証するのです。

カイ二乗検定

ある理論(例えば、メンデルの法則とか)があって、データの理論値が計算できる場合、その理論が正しいかどうかはカイ2乗検定で検証するものです。

こちらは昨年2017年の鹿児島大でも出題が見られました。

まとめ

統計は科学の屋台骨です。医学部の授業でも医学統計学となどで扱いがあります。

医学部学士編入試験においては難易度は高くありません。簡単な計算や公式に当てはめてば解ける問題が

ほとんどです。今後のためにも、ぜひ活用できるように準備をしていきましょう。

特に仮説や背理法という科学的考えに触れられることも統計の魅力だと思います。一生使っていくものなので、

医学部学士編入の機会でぜひ得意になってください。

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